倉庫業における一類倉庫の設備基準

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使用権限

 一類倉庫の設備基準においては、倉庫及び敷地について、申請者が所有権又は賃借権を有していることが求められます。

 例えば、倉庫を所有している場合は不動産謄本を、倉庫を賃貸している場合は賃貸借契約書の写し(転貸借の場合は、所有者の承諾書の写しも必要です)を添付書類として提出することが求められます。


関係法令への適合性

イ 建築基準法(告第2条第1号)
 特殊建築物に該当する倉庫として使用される部分の面積が100u以上の建築物その他建築基準法第6条第1項各号に該当する倉庫については、建築基準法の規定(建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定(後述)を含む。)に適合していることを要します。

ロ 建築基準関係規定(告第2条第2号)
 建築基準法第6条第1項各号に該当しない倉庫については、建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定のうち以下に掲げるものに適合していることを要します。

 (1)消防法第17条第1項
 倉庫は、消防法上防火対象物とされているため、消防法第17条第1項に定める技術上の基準に従って、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設を設置し、及び維持することを要します。

 (2)港湾法第40条第1項
 港湾法第39条第1項の規定に基づき港湾管理者が分区を設定している地域に設けられる倉庫にあっては、同条第40条第1項の規定により当該分区の用途に適合していることを要します。

 (3)都市計画法第29条第1項又は第2項
 都市計画区域等に設けられる倉庫にあっては、都市計画法第29条第1項又は第2項に規定するところによりその建築に際し開発許可を取得していることを要します。


土地への定着性


 ここでいう土地とは、陸地のみならず、建築可能な水面、海底等を含みます。
 そして「土地に定着」とは、土地に定常的に定着されている状態を指します。
 そのため、土地に置かれたコンテナなど容易に撤去可能な工作物や、船舶や車両など容易に移動可能な工作物は、土地に定着しているとは認められません。


軸組み、外壁又は荷ずりの及び床の強度

イ 軸組み、外壁又は荷ずりの強度

(1)軸組み、外壁又は荷ずりは、2500N/u以上の荷重に耐えられる強度を有していなければならない(告第3条第1項)。軸組み、外壁又は荷ずりが2500N/u以上の荷重に耐えられる強度を有している倉庫とは、以下のa〜dをいいます。

 a 建築基準法の基準に適合する鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、補強コンクリートブロック造又は煉瓦造、石造、コンクリートブロック造りその他の組積造の倉庫

 b  鉄骨造又は木造の軸組みを有する倉庫で、以下のいずれかに該当するもの
 ・76cm以下の間隔で設けられた荷ずり及び90cm以下の間隔で設けられた胴縁を有するもの
 ・下地板又は内壁(木板、木毛セメント板又は石膏ボードの類にあっては厚さ1.2cm以上、硬質木片セメント板、合板の類にあっては厚さ0.9cm以上のものに限る。)を有するとともに、90cm以下の間隔で設けられた胴縁を有するもの

 c プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板若しくはセメント成型板の外壁又はこれら以外のパネル製の外壁を有している倉庫であり、かつ、当該パネルの許容荷重が2500N/u以上となるように、当該パネルの長さ(1枚のパネルであっても、間柱・胴縁等により支持されている場合にあっては、当該間柱・胴縁の間隔分の幅を有する複数枚のパネルであるものとして取り扱うこととする。)が設定されているもの。
 パネルの基準適合性を審査する場合にあっては、パネルを製造したメーカー等の作成した、パネルの長さと許容荷重との相関関係を表にした資料等を適宜参考にすることが求められます。

 d a〜cの基準に該当しない構造であってメーカー、民間の建築士事務所その他の者の行った検査により、当該軸組み、外壁又は荷擦りが2500N/u以上の荷重に耐えられる強度を有することが証明できるもの

 なお、外壁に窓その他の開口部が設けられている場合であって、当該開口部の幅及び高さがいずれも内法寸法で1m以上である場合にあっては、当該開口部の設けられている部分は十分な強度を有している外壁とは認められません。ただし、当該開口部が下地板、角材等により補強されている場合、鉄格子により防御されている場合、開口部にJIS規格S-6グレード以上の建具が設けられている場合等十分な強度を有すると認められる場合にあっては、この限りではありません。

 (2)「荷崩れのおそれのない措置」として以下の措置が講じられている場合にあっては、軸組み、外壁又は荷擦りが(1)の基準を満たしていることを要しません(告第3条第1項ただし書き)。

 a ラックを使用して貨物を保管している場合又は貨物を平積みにしている場合等、保管の態様又は貨物の性状からみて、荷崩れが発生する危険のない場合。
この場合にあっては、倉庫の図面中においてラックの配置状況及び構造の概要を示すこととする。

 b 外壁から離れた場所(外壁から貨物の高さと同じ距離(高さが6m以上の場合にあっては、6mの距離)をとることとする。)に貨物を配置している場合等荷崩れが発生した場合でも貨物の配置上外壁に損傷を与えるおそれがない場合。
 この場合は、倉庫の図面中において貨物の配置箇所を明示しておくとともに、倉庫内においても白線を引く等により当該箇所を明示の上、指定箇所外に貨物を置かないように当該倉庫業者において従業員に周知徹底を図るものとする。
 なお、庫内の貨物が、貨物の性状から見て一定の高さ以上に積まれることのない場合にあっては、外壁のうちその高さより上の部分については、bに該当するものとして取り扱うこととするが、この場合についても、同様に貨物を置く高さの上限を壁に白線を引く等により明示した上で、その高さ以上に貨物を積まないように当該倉庫業者において従業員に周知徹底を図るものとする。

 ロ 床の強度

 (1)床は、3900N/u以上の積載荷重に耐える強度を有していなければなりません(告第3条第2項)。

 (2)建築確認を要する倉庫にあっては、建築基準法施行令第85条第3項の規定により、営業倉庫の床は3900N/u以上の積載荷重に耐える強度を要するとされていることから、告第1条第1項第1号に定める書類の提出をもって、当該基準を満たしているものとして取り扱うことになります。

 (3)建築確認を要しない倉庫にあっては、民間の建築士事務所その他の検査機関の行った検査により、当該床が3900N/u以上の積載荷重に耐えられる強度を有していることを証明することになります。


水の浸透を防止する構造及び設備


 一類倉庫においては、屋根、外壁については、それぞれ水の浸透を防止する構造になっていることが求められます。
 また、水の浸透を防止する設備として、雨水を有効に排出できる雨樋を有することや倉庫及び倉庫と隣接して設けられた設備の内部に樋及びこれを伴う排水路並びに水を使用する設備が設けられていないことが求められます。


床の防湿措置

 一類倉庫の床については、土地からの水分の浸透及び床面の結露を防ぐため、以下のうちいずれかの措置が講じられていなければなりません(告第5条)。

イ 床面にアスファルト舗装が施されていること(告第5条第1号)。

ロ 床がコンクリート造のものにあっては、コンクリートの下にポリエチレンフィルム等の防水シートが敷き詰められていること、又はコンクリートの表面に金ごて押え等により有効な防湿措置が講じられていること(告第5条第2号)。

ハ 床がコンクリート板敷又は煉瓦敷のものにあっては、有効な防湿措置が講じられていること(告第5条第3号)。

ニ 床が板敷のものにあっては、床組部分の通風のため、床下換気孔が設けられていること(告第5条第4号)。

ホ 前各号に掲げるもののほか、これらと同等以上に土地からの水分の浸透及び床面の結露の防止上有効な構造であると認められる措置が講じられていること(告第5条第5号)。


遮熱措置


(原則)
 一類倉庫においては、遮熱のための屋根、外壁及び開口部の熱還流率の平均値が、4.65W/u・K以下となるような措置が施されていることが求められます。

(例外)
 ただし、以下の場合は上記基準に適合しているものとして扱うことができます。

・当該倉庫が天井を有している場合

・当該倉庫が耐火構造又は、準耐火構造の屋根・外壁

・防火構造の屋根・外壁を有している場合


耐火性能又は防火性能


 「耐火性能又は防火性能」を有する構造とは、以下のものを指します(告第7条)。

イ 建築基準法第2条第8号に定める防火構造であり、かつ、その外壁のうち同法第2条第6号に定める延焼の恐れのある部分に設けられた開口部に同法第2条第9号の2ロに定める防火設備(防火戸に限る。)を有するもの

ロ 建築基準法第2条第9号の2に定める耐火建築物であるもの

ハ 建築基準法第2条第9号の3に定める準耐火建築物であるもの


災害防止上有効な構造又は設備

 一類倉庫においては災害の防止のために一定の範囲内にある施設がないことが求められます。
 例えば、事務所など「居室を有する施設」は倉庫から3m以上、ごみ焼却場など「業務上火気を使用する施設」は倉庫から5m以上、消防法上の危険物等の保管されている施設等からは、10m以上離れていることが求められます。
 ただし、倉庫に近接する施設の屋根及び外壁が耐火構造であり、かつ、倉庫に面する側の外壁に設けられた開口部に防火設備を有しているような災害防止の措置が施されている場合にはこの対象施設から除かれます。


防火区画

イ 火気又は危険物等を取り扱う施設

a 「火気を使用する施設」とは、規則中に挙げられているもののほか、宿直室、労務員詰所、喫煙所等の施設又は焼却炉、ボイラー等の火気を取り扱う施設を指す。

b 「危険物等を取り扱う施設」とは、消防法第2条第7号の危険物、高圧ガス保安法第2条の高圧ガスその他の爆発しやすい物品又は極めて燃焼しやすい物品を取り扱う施設を指す。

ロ 上のa又はbに該当する施設が倉庫の設けられた建物内に存在する場合は、以下に定めるところにより区画されていなければならない(告第9条)。

a 倉庫の設けられている建物が耐火建築物又は準耐火建築物である場合は、火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が建築基準法施行令第112条第10項、第11項、第15項及び第16項並びに同令第115条の2の2第1項第1号の基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備により区画されていること(告第9条第1号)

b 倉庫の設けられている建物が耐火建築物又は準耐火建築物以外の建築物である場合にあっては、火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が建築基準法施行令第113条第1項の基準に適合する防火壁等により区画されていること(告第9条第2号)。


防犯上有効な構造及び設備

 「防犯上有効な構造及び設備」とは、以下のものを指す。

イ 出入口扉及び錠(告第10条第1号)
 倉庫の出入口に扉が備え付けられており、かつ、施錠できなければならない。

ロ 開口部からの侵入を防ぐ措置(告第10条第2号)
 侵入のおそれのある開口部には、鉄格子を備え付ける、網入り又は線入りガラスにより閉塞する等開口部からの侵入を防ぐ措置が講じられていなければならない。

ハ 照明装置(告第10条第3号)
 照明装置は、夜間、倉庫の出入口の周辺部分において、地上高1.5mの部分で4m離れた場所から見て人間の顔が判別できる程度の明るさ以上の直接照度が確保できるように設けられていなければならない。なお、倉庫の出入口付近に街路灯等が設置されている場合であって、恒常的に上の照度が確保できると認められる場合にあっては、倉庫側において照明装置の設置を要しない。

ニ 警備体制(告第10条第4号)
 倉庫においては、盗難等の防止上、警備業法(昭和40年法律第117号)第2条第5項に定める警備業務用機械装置の設置その他これと同等以上の警備体制を有していなければならない。
 「警備業務用機械装置」とは、庫内における事故の発生を感知し、当該倉庫の警備を請負う警備業者その他の者に通報するセンサーを指す。
 業務時間外に宿直を置く場合、24時間体制で荷役業務等を行っている場合等倉庫又はこれに付随する施設内に常に人が所在している場合にあっては、このような警備業務用機械装置の設置と「同等以上の警備体制」を有しているものとして取り扱うこととする。

ホ 隣接部分からの遮断(告第10条第5号)
 「隣接部分」とは、倉庫が設けられている建物内に当該倉庫と隣接する形で設けられた事業所、商店、住宅等の施設であって、倉庫関係者(倉庫業者本人若しくはその使用する荷役労務員又は寄託者等を指す。)以外の者が管理するものを指す。
 倉庫においては、倉庫と無関係の者が容易に出入りできることは防犯上望ましくないことから、倉庫全体を壁で区画し、倉庫と隣接部分とをつなぐ開口部を閉鎖しておく等このような隣接部分から倉庫を遮断することを要する。
 なお、寄託者の流通加工施設、寄託者の手配した検査員の検品スペースを庫内に設ける場合等隣接部分を当該倉庫に係る寄託者又はその関係者の用に供する場合であっては、防犯上の配慮を要しないことから遮断措置は不要である。


鼠(そ)害の防止設備

 一類倉庫においては、保管物を鼠の被害を防ぐことが重視されています。
 例えば、地窓、下水管、下水道に通じる部分は全て金網を設置しており、出入口の扉は完全密閉ができることが求められます。
 また、扉により完全密閉できない構造となっている場合には、出入口の閉鎖時において当該出入口にからの鼠の侵入を防ぐための設けられた鼠返し等の設備が必要です。

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